106D55

生後4日の新生児。在胎40週、2,960gで出生した。生後24時間は胎便排泄がなかったため、グリセリン浣腸を行ったところ、暗緑色の胎便が排出された。その後、移行便の排泄がなく、次第に腹部が膨隆してきた。昨日から胆汁性の嘔吐を認めるようになった。腹部エックス線写真を別に示す。
診断に有用なのはどれか。2つ選べ
注腸造影
直腸鏡検査
腹部超音波検査
上部消化管造影
直腸肛門内圧検査

解答: a,e

106D55の解説

胎便排泄遅延のある生後4日の新生児である。腹部膨隆に加え胆汁性嘔吐も認めるようになり、浣腸にて暗緑色の胎便をみることから新生児腸閉塞疾患を考える。腹部エックス線写真では腸管ガスが像が増加しているのに対し骨盤ガスは欠如していることから、Hirschsprung 病を最も疑う。
a 正しい。注腸造影にてnarrow segment(鋸歯状となる)、megacolon 、caliber change(口径差)をみる。
b 新生児に直腸鏡検査は困難である。
c 腸管ガスがあり、腹部超音波検査にて所見をとるのは難しい。
d 上部消化管造影は腸回転異常を疑う場合などに行うが、臨床像が異なる。
e 正しい。直腸肛門内圧検査にて肛門括約筋の反射が欠如する。

正答率:53%

テーマ:Hirschsprung病の診断に有用な検査

フォーラムへ投稿

関連トピック