106D34

40歳の女性。喘鳴を主訴に来院した。9週前に発熱、咽頭痛、咳嗽および喀痰が出現し、自宅近くの医療機関で治療を受けて改善した。2週前から夜間に喘鳴が出現したが、睡眠が妨げられるほどではなかった。喫煙歴はない。身長160cm、体重52kg。体温36.2℃。脈拍64/分、整。血圧106/62mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。心音に異常を認めない。強制呼気時に背部でwheezesを聴取する。白血球7,200(桿状核好中球8%、分葉核好中球45%、好酸球16%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球24%)。血液生化学所見:IgG 1,610mg/dL(基準960~1,960)、IgA 232mg/dL(基準110~410)、IgM 82mg/dL(基準65~350)、IgE 540IU/mL(基準250未満)。CRP 0.3mg/dL。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
治療薬として適切なのはどれか。
β遮断薬
抗コリン吸入薬
抗アルドステロン薬
マクロライド系抗菌薬
副腎皮質ステロイド吸入薬

解答: e

106D34の解説

喘鳴を主訴とする40歳女性。強制呼気時に背部でwheezesを聴取する。血液所見で好酸球とIgEの上昇をみることからアレルギー性疾患を疑う。胸部エックス線では心拡大なく心不全は否定的であることから気管支喘息と診断する。
a β刺激薬が治療法であり、β遮断薬は一般的に禁忌である。
b 抗コリン吸入薬も有効であるが第一選択薬ではない。
c 抗アルドステロン薬は利尿薬の一種である。胸部エックス線で心拡大を認めないことから心不全ではなく、利尿剤は不要である。
d マクロライド経抗菌薬はびまん性汎細気管支炎などに用いる。
e 正しい。気管支喘息の管理は副腎皮質ステロイド吸入薬が長期管理薬となる。

正答率:94%

テーマ:気管支喘息の治療薬

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