106D29

42歳の女性。7か月前から持続する全身倦怠感と腰背部痛とを主訴に来院した。体温36.1℃。脊椎の後屈制限と棘突起の叩打痛とを認める。血液所見:赤血球410万、Hb 12.0g/dL、Ht 35%、白血球6,100、血小板15万。CRP 0.3mg/dL。胸腰椎単純CT(A)と胸腰椎MRIのT2強調矢状断像(B)とを別に示す。生検組織で乾酪壊死を伴う肉芽腫を認める。
治療薬として適切なのはどれか。
抗真菌薬
抗結核薬
抗悪性腫瘍薬
骨吸収抑制薬
非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉

解答: b

106D29の解説

乾酪壊死を伴う肉芽腫といえば結核が思い浮かぶ。経過が長く、脊椎の後屈制限、棘突起の叩打痛は脊椎カリエス〈結核性脊椎炎〉の初期症状として典型的。
a 脊椎真菌感染症の治療であるが、乾酪壊死からは考えにくい。
b 正しい。症状が進むと、Pottの3徴(亀背、冷膿瘍、脊髄麻痺)を認める。
c 肉芽腫であり、悪性腫瘍ではない。
d 骨粗鬆症の治療薬である。
e 痛みに対する対症療法の意味しかない。

正答率:92%

テーマ:脊椎カリエスの治療薬

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