106D23

60歳の女性。健康診断の胸部エックス線写真で異常を指摘され来院した。自覚症状はない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。身長153cm、体重55kg。体温36.8℃。脈拍60/分、整。血圧118/64mmHg。呼吸数16/分。SpO2 99%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球380万、Hb 13.2g/dL、Ht 33%、白血球5,600、血小板23万。CRP 0.3mg/dL。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
診断のために行うべき検査として最も有用なのはどれか。
喀痰培養
肺動脈造影
経気管支肺生検
腫瘍マーカー測定
ポジトロンエミッション断層撮影〈PET〉

解答: c

106D23の解説

健康診断の胸部エックス線写真で異常を指摘された60歳女性。自覚症状はない。胸部エックス線写真では右肺上肺野に腫瘤影を認める。胸部単純CTでは同部位にspiculaを伴う腫瘍性病変を認め、肺癌を疑う。
a 喀痰培養は感染症を疑う際に有用。
b 肺動脈造影は血栓症を疑う際に有用。
c 正しい。確定診断のため気管支鏡による肺生検を行う。
d 腫瘍マーカーの測定は検査後確率を上げるが、診断には至らない。腫瘤を直接観察できる生検が有用。
e PET検査で転移の有無を評価できる。治療法の選択に有用だが、肺癌の診断として優先すべきものではない。

正答率:85%

テーマ:肺癌疑いの患者の診断のために行うべき検査

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