106C29

現 症:意識は清明。身長165cm、体重60kg。体温37.4℃。脈拍88/分、整。血圧126/80mmHg。咽頭粘膜に発赤を認めない。口蓋扁桃は軽度に腫大している。両側の胸鎖乳突筋の後縁に、径1cmの軟らかく圧痛のないリンパ節を2、3個ずつ触知する。
肝と脾との腫大をみるために腹部診察を行おうとしたところ、患者が「おなかの診察までするのですか」と尋ねた。
現時点の医師の対応で最も適切なのはどれか。
他の医師に交代することを患者に提案する。
腹部の診察は行わずに身体診察を終了する。
質問には返答せず、そのまま腹部の診察を続ける。
診察を中断し、腹部診察の必要性について説明する。
身体診察では医師の指示に従う必要があると説明する。

解答: d

106C29の解説

a 責任感に乏しい行為と言える。患者側が「他の先生に代えてくれ」と言ってきたようなケースを除き、自ら進言すべきではない。
b 必要と判断した診察は、患者の拒否がない限り遂行すべきだ。
c 患者の発言を無視する行為であり、好ましくない。
d 正しい。腹部診察の必要性を患者が疑っているため、それを説明する必要がある。
e 患者が医師の指示に従う義務はない。

正答率:100%

テーマ:【長文2/2】腹部診察に不審を抱いている患者への対応

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