106C20

78歳の男性。尿が出なくなったことを主訴に来院した。3日前に頭痛と咽頭痛とを自覚し、自宅近くの診療所で感冒薬を処方された。昨晩から尿がたらたらとしか出なくなり下腹部痛を認めたため、受診した。身長165cm、体重60kg。体温36.0℃。脈拍64/分、整。血圧156/86mmHg。下腹部は膨隆し、直腸指診で鶏卵大の前立腺を触知する。腹部超音波検査所見上、膀胱は多量の尿で拡張している。
現時点の対応として適切なのはどれか。
導尿
膀胱穿刺
尿道ブジー
膀胱鏡検査
利尿薬の投与

解答: a

106C20の解説

多量の尿で拡張した膀胱を認め、尿閉の状態である。感冒薬→尿閉の組み合わせはよくみられるため覚えておこう。感冒薬には抗コリン作用をもつ種類があり、それによって前立腺肥大を助長しているのである。
a 正しい。ただちに導尿を行う必要がある。
b 導尿が難しかった場合に選択される。
c 尿道狭窄(閉塞)の原因は明確であるためブジーで広げる必要はない。
d とにかくまずは排尿させることが第一であるため検査は現時点で行うものではない。
e 出口が狭まって尿閉となっているため、利尿薬を投与しても膀胱内の尿量が徒に増加するだけである。禁忌。

正答率:92%

テーマ:尿閉患者への対応

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