105I39

54歳の女性。顔と手足のむくみを主訴に来院した。10年前から疲れやすく便秘がちになったが、加齢によるものと思い、そのままにしていた。数か月前から指輪や靴がきつくて入らなくなったことを気にしていた。2日前、数年ぶりに帰省した娘から「顔が腫れている。声も以前はそんなにしわがれていなかった」と指摘され、心配になって受診した。身長156cm、体重58kg。体温35.0℃。呼吸数16/分。脈拍52/分、整。血圧124/90mmHg。皮膚は乾燥。下肢に指圧痕を残さない浮腫を認める。血液所見:赤血球360万、Hb 12.6g/dL、Ht 39%、白血球4,500、血小板21万。血液生化学所見:空腹時血糖96 mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 103mEq/L。
この病態でみられるのはどれか。
総コレステロール低値
CK高値
コルチゾール高値
眼底の軟性白斑
胸部エックス線写真で滴状心

解答: b

105I39の解説

中年女性のむくみ。「疲れやすく便秘がち」「声のしわがれ」「皮膚は乾燥」あたりからミエミエな感はあるも、「下肢に指圧痕を残さない浮腫」で甲状腺機能低下症と確実に分かる。
a 総コレステロールは高値となる。
b 正しい。筋へのムコ多糖沈着によりCKは高値を示す。
c コルチゾール高値となるのはCushing症候群。
d 眼底の軟性白斑をみるのは糖尿病や全身性エリテマトーデス〈SLE〉。
e 胸部エックス線写真で滴状心となるのは慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉。

正答率:82%

テーマ:甲状腺機能低下症の病態

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