105F28

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
72歳の男性。皮膚の黄染を主訴に来院した。
現病歴:3か月前から全身倦怠感があり、2週前から上腹部および背部の鈍痛と食思不振とを自覚していた。3日前に皮膚の黄染に気付いた。
家族歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
既往歴:40歳台に右尿管結石にて治療を受けた。50歳台に十二指腸潰瘍で吐血したが、薬物治療にて治癒した。
現 症:意識は清明。身長168cm、体重62kg。体温36.1℃。全身の皮膚と眼球結膜とに黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。圧痛、反跳痛および筋性防御を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球386万、Hb 13.1g/dL、Ht 39%、白血球9,100、血小板18万、PT 12秒(基準10~14)。血液生化学所見:血糖131mg/dL、総蛋白6.5g/dL、アルブミン3.8g/dL、総ビリルビン18.1mg/dL、AST 138U/L、ALT 162U/L、LD 570U/L(基準176~353)、ALP 483U/L(基準115~359)、γ-GTP 132U/L(基準8~50)、CK 41U/L(基準30~140)。腹部単純CT(A、B)を別に示す。
この患者で最も考えられる症候はどれか。
手掌紅斑
灰白色便
下腿浮腫
腹部の波動
腹壁静脈怒張

解答: b

105F28の解説

腹部単純CTでは胆管拡張を認める。血液検査所見では、総ビリルビンが高値であり、AST、ALT、ALP、γ-GTPもそれぞれ高値であることから閉塞性黄疸を来していると考えられる。
a・c~e 肝硬変の進行により認めるが、現時点で血小板やPT値の異常はみられないため考えにくい。
b 正しい。直接ビリルビンの腸管内への流入が障害されているため、灰白色便を呈する。

正答率:93%

テーマ:【長文1/2】閉塞性黄疸の症候

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