105E46

61歳の男性。3週前からの左股関節部痛を主訴に来院した。疼痛は安静時にもあるが歩行で増悪し、2、3歩しか歩けない。左股関節エックス線写真を別に示す。
次に行うべき検査として適切なのはどれか。
骨密度測定
股関節造影
股関節鏡検査
全身骨シンチグラフィ
MRスペクトロスコピー

解答: d

105E46の解説

エックス線写真では、骨の連続性は保たれ骨折はないと分かる。また、関節裂隙の狭小化や臼蓋の異常もなく変形性股関節症の可能性も低い。エックス線から分かるのは、骨溶解像である。
a 骨粗鬆症の検査であるが、骨粗鬆症単独では疼痛を訴えることはなく骨粗鬆症が原因の骨折の存在が疼痛につながる。
b 関節腔内に造影剤や空気を注入して撮影を行う。変形性股関節症や股関節形成不全で行われることがある。主に関節腔の形状や滑膜の増殖などの精査で用いられるが、本症例では関節に異常はない。
c CTや造影検査などその他検査の結果、直接病変の観察が必要な場合に行われる。
d 正しい。骨溶解像から、転移性骨腫瘍の可能性が高く、原発巣の検索もしくはその他の転移巣検索のためシンチグラフィを行う必要がある。
e MRIの撮像手法の1つである。主に脳で代謝される物質の変化を計測し、通常の撮影では認められない変化を捉える。

正答率:61%

テーマ:股関節痛をきたす疾患

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