105A24

エピソードから、橈骨神経の圧迫性麻痺と考えられる。手関節の伸展不能の下垂手、手背側の母指・示指の感覚低下を認める。
ａ　腋窩神経は三角筋と小円筋を支配し、知覚では肩関節付近の皮膚が領域である。腋窩神経が圧迫されやすいのは、大円筋・小円筋・上腕二頭筋・上腕骨に囲まれた四角間隙という部分である。
ｂ　筋皮神経は上腕二頭筋を貫き、上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋を支配している。知覚領域は前腕であり、症状に合致しない。
ｃ　正しい。典型的な橈骨神経麻痺である。
ｄ　支配筋である長母趾伸筋や示指深指屈筋が麻痺し、屈曲できないため、祈祷手と呼ばれる形となる。また、母指から環指母指側1/2までの掌側の感覚障害も重要といえよう。
ｅ　肘部管症候群やギヨン管症候群はその一種である。小指と薬指が曲がらないため、鷲手という独特な手の形がみられる。