105A22

55歳の男性。腹部不快感を主訴に来院した。2か月前から右下腹部の不快感を間欠的に自覚していた。腹部の視診と聴診とに異常を認めない。右下腹部に、腹筋の緊張時には触知しないが、弛緩時には5×4 cm大の腫瘤を触知する。腫瘤は弾性硬で圧痛はなく、拍動を認めない。
最も考えられるのはどれか。
腸重積症
上行結腸癌
腹部大動脈瘤
腹壁デスモイド
腹壁瘢痕ヘルニア

解答: b

105A22の解説

腹部不快感を主訴に来院した55歳男性。2か月前から間欠的に生じ、右下腹部に圧痛を伴わない腫瘤を触知しているという。何かしらの腫瘍性病変か。
a 腸重積は激しい腹痛を認めるが、本症例では不快感にとどまることから否定的。
b 正しい。2か月前から徐々に進行してきたこと、違和感のみという自覚症状も合致する。鑑別に挙げるべき疾患である。
c 拍動を認めないことから否定的。
d デスモイド腫瘍は筋膜および筋腱膜組織より発生する良性腫瘍であり、緊張時にも触知する。
e 視診にて異常を認めないことから腹部の手術歴はない。腹筋の緊張時に腫瘤を触知しないことからも否定的である。

正答率:45%

テーマ:上行結腸癌の診断

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