104I69

61歳の男性。発熱、胸痛および呼吸困難を主訴に来院した。2週前から咳、痰および38℃台の発熱が出現し、自宅近くの診療所で風邪と診断されて治療を受けたが改善しなかった。4日前から胸痛と呼吸困難とが出現して増強するため受診した。42歳時にアルコール性肝障害を指摘された。喫煙は30本/日を32年間。飲酒は日本酒4合/日を36年間。体温38.4℃。聴診で左胸部の呼吸音が減弱し、同部の打診で濁音を認める。血液所見:赤血球430万、Hb 12.4g/dL、Ht 42%、白血球14,800、血小板23万。免疫学所見:CRP 22.8mg/dL、ツベルクリン反応陰性。胸部エックス線写真で左下肺野に陰影を認める。胸部造影CTを別に示す。胸腔試験穿刺を行って悪臭のある黄色膿性の液を採取した。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ
抗菌薬静脈内投与
気管支鏡下吸引
穿刺ドレナージ
左下葉切除
放射線治療

解答: a,c

104I69の解説

発熱、胸痛および呼吸困難を主訴とする61歳男性。2週間前から咳、痰、発熱をきたしており、4日前から胸痛と呼吸困難が出現してきた。これは下気道感染症から胸膜に炎症が波及したと考えられる。胸部造影CTでは左胸腔に被包化された液体貯留を認めることから、膿胸が考えられる。
a 正しい。膿胸に対して抗菌薬投与を行う。
b 胸膜病変であることから気管支鏡では届かない。
c 正しい。被包化されているため内部を穿刺しドレナージすることが必要。
d まずは保存的に加療する。
e 腫瘍性病変ではなく、放射線治療の適応はない。

正答率:90%

テーマ:肺膿瘍の治療

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