104G57

83歳の男性。8年前にAlzheimer型認知症と診断された。5年前までは徘徊も多く家族も苦労したが、2年前からは自宅内で過ごすことが多くなった。1年前から経口摂取量が減少し、むせることが多くなった。1年間で体重は7kg減少した。3か月前からはベッド上での生活となり、経口摂取量もさらに減少した。2週前に肺炎のため、急性期病院に入院した。抗菌薬の投与で回復したが、意識レベルが低下して経管栄養となり、療養病床を持つ病院へ転院となった。入院時の意識レベルはJCSII-30、家族を認識することは困難であった。転院後2か月、意識レベルはJCSIII-100まで徐々に低下した。これまで献身的に介護してきた家族は、本人の事前の意志もあり、延命措置を望まないと医師に伝えた。
対応として適切なのはどれか。
膀胱留置カテーテルを挿入する。
家族の希望により経管栄養を中止する。
面会時間以外の家族付き添いを許可する。
経口摂取は困難なため口腔ケアを中止する。
体位変換は身体への負担が大きいため中止する。

解答: c

104G57の解説

終末期医療において、延命措置を望まない方針となった高齢男性。
a 排尿困難についての記載はなく、積極的に行うべき対応ではない。
b 経管栄養が延命措置に該当するか、そしてその中止は尊厳死と言い切れるのか、非常にデリケートな部分である。積極的に選びたくはない選択肢。
c 正しい。病院側の判断として、こうした特例が認められるケースもある。
d 経管栄養をしている患者であっても、口腔内ケアは重要である。
e 褥瘡予防のため、体位変換は重要である。
※a〜cで悩む。受験生の選択も分散しやすい問題だ。グレーゾーンを攻めすぎる、旧世代の必修問題。誤答してしまっても気にしなくてよい。

正答率:66%

テーマ:延命措置を望まない患者・家族への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし