104F30

次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
34歳の経産婦。反復する下腹部痛と少量の性器出血とを主訴に来院した。
現病歴:妊娠12週まで近くの診療所で健診を受けていたが、経済的理由でその後は受診していなかった。本日朝から下腹部痛と性器出血とを自覚した。妊娠37週1日に相当していた。
既往歴・生活歴・家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長153cm、体重72kg。体温37.1℃。脈拍84/分、整。血圧142/86mmHg。子宮底長28cm、腹囲95cm。3~5分間欠で疼痛を伴う子宮収縮を認める。
検査所見:尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球320万、Hb 9.5g/dL、Ht 28%、白血球9,000、血小板11万。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL、アルブミン3.6 g/dL、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。CRP 0.4mg/dL。
まず行う検査はどれか。
心電図
頭部単純MRI
腹部超音波検査
凝固・線溶検査
胸部エックス線撮影

解答: c

104F30の解説

妊娠37週1日に相当であり、反復する下腹部痛と少量の性器出血とが出現した34歳の経産婦である。子宮底長28cmと妊娠週数と比較して小さく、胎児発育不全が示唆される。血圧142/86mmHg、尿蛋白1+からは妊娠高血圧症候群が疑われる。Hb 9.5g/dL、血小板11万、尿素窒素16mg/dLであり、妊娠高血圧性腎症やHELLP症候群を合併している可能性もある。
a 心疾患を疑わせる所見はなく、心電図は必要ない。
b HELLP症候群により子癇を起こした場合には頭部単純MRIも有用であるが、けいれんはなく否定的である。
c 正しい。腹部超音波検査にて胎児の状態を把握すべきである。
d 妊娠高血圧症候群ではDICを合併しやすいため凝固・線溶検査は重要であるが、「まず行う」という点では正解を譲る。
e 胸部エックス線撮影にて得られる所見は乏しい。

正答率:96%

テーマ:【長文1/2】常位胎盤早期剥離の検査

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