104D54

50歳の男性。呼吸困難のため搬入された。4日前に37.6℃の発熱と咽頭痛とがあり、市販の感冒薬を服用して様子をみていた。昨日から咽頭痛が悪化し、ものが飲み込みにくくなった。今朝から急激に増悪する嗄声と呼吸困難とを自覚している。意識は清明。身長170cm、体重72kg。体温39.6℃。呼吸数24/分。脈拍116/分、整。血圧134/88 mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%。著明な咽頭発赤と頸部の圧痛とを認める。吸気時喘鳴〈stridor〉を聴取する。腹部所見に異常を認めない。
まず行うのはどれか。
呼吸機能検査
喉頭内視鏡検査
尿中肺炎球菌抗原検査
A群β溶血性レンサ球菌迅速検査
インフルエンザウイルス抗原検査

解答: b

104D54の解説

発熱と咽頭痛があり呼吸困難を呈している50歳の男性である。咽頭痛は悪化しており、嗄声と呼吸困難とも急激に増悪していることから咽頭の炎症疾患を想起する。著明な咽頭発赤と頸部の圧痛とを認め吸気時喘鳴〈stridor〉を聴取することから、急性喉頭蓋炎の診断となる。
a 呼吸機能検査は下気道の検査であり、呼吸困難を伴う患者にまず行うものでもない。
b 正しい。喉頭内視鏡〈喉頭ファイバースコープ〉により腫大した喉頭蓋を肉眼的に観察することは有効である。
c~e 急性喉頭蓋炎はインフルエンザ桿菌が原因であり、インフルエンザウイルスではないので注意。

正答率:96%

テーマ:急性喉頭蓋炎への対応

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