104D50

58歳の女性。咳と血痰とを主訴に来院した。2年前から咳と痰とが出るようになった。1か月前から咳が強くなり、3日前から血痰が出たため受診した。13歳時に副鼻腔炎で両側を手術した。体温37.2℃。両側の前胸下部に弱いfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球420万、Hb 11.8g/dL、Ht 40%、白血球6,800、血小板18万。血液生化学所見に異常を認めない。CRP 0.8 mg/dL。喀痰の抗酸菌塗抹検査が3回連続で陽性となったが、同時に行った結核菌PCR検査は陰性だった。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。止血剤の投与で血痰は消失したが、咳は増強し、1か月後の画像は増悪していた。抗菌薬を3剤用いて治療を開始することとした。
リファンピシンとエタンブトールに加えて選択するのはどれか。
ST合剤
ペニシリンG
オセルタミビル
アムホテリシンB
クラリスロマイシン

解答: e

104D50の解説

「喀痰の抗酸菌塗抹検査が3回連続で陽性」とあり、抗酸菌感染であろう。ただし、「結核菌PCR検査は陰性」とあり、結核菌ではない。以上から、非結核性抗酸菌症と考える。A, B(特にB)では右中葉に限局したスリガラス影がみられる。
a〜e リファンピシンとエタンブトールに加え、eのクラリスロマイシンを長期投与する。

正答率:90%

テーマ:非結核性抗酸菌症の治療

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