104B49

70歳の女性。山菜採りに出かけ、約30分前に多数のスズメバチに刺され、家族に伴われて来院した。スズメバチに刺された既往がある。意識レベルはJCS I-1。呼吸困難を訴える。全身の皮膚が紅潮し、頭部と四肢とに多数の刺傷がある。呼吸数30/分。脈拍120/分、整。血圧60/40mmHg。心音に異常を認めない。全肺野にwheezesを聴取する。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.45、PaO2 68 Torr、PaCO2 36 Torr、HCO3- 24 mEq/L。
処置として適切でないのはどれか。
アドレナリン筋注
アミノフィリン静注
副腎皮質ステロイド静注
塩酸イソプロテレノール静注
フェイスマスクによる酸素吸入

解答: d

104B49の解説

多数のスズメバチに刺され、来院した70歳女性。ショックバイタルを呈しており、アナフィラキシーショックと診断する。
a アドレナリン筋注がアナフィラキシーショックの第一選択である。なお、出題時に本選択肢は「皮下注」であった。出題当時はまだ皮下注が行われていたが、現在の第一選択は筋注であるため、選択肢を改変した。
b 気管支拡張作用を有するため、投与する。
c 即時作用はないが、遅発症状を予防する効果があるため投与する。
d 誤り。β刺激薬であるが、末梢血管を拡張させるため更なる血圧低下を招く恐れがある。
e ショックであり、高流量の酸素投与が必要である。

正答率:73%

テーマ:アナフィラキシーショックの処置

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