104A46

25歳の男性。両眼の視力低下を主訴に来院した。数年前から、季節に関係なく眼の痒みが続いている。顔面皮膚はびまん性に潮紅しており、頸部皮膚に色素沈着を認める。視力は右0.9(矯正不能)、左0.8(矯正不能)。眼瞼結膜に充血と乳頭増殖とを認める。細隙灯顕微鏡検査で、角膜に異常はなく、水晶体の混濁を認める。眼底検査で、右眼眼底周辺部に限局性の網膜剥離を認める。
合併が疑われる疾患はどれか。
アトピー性皮膚炎
全身性エリテマトーデス〈SLE〉
皮膚筋炎
強直性脊椎炎
成人Still病

解答: a

104A46の解説

25歳という年齢では通常水晶体の混濁(白内障)はみられない。皮膚所見と合わせて考えるとアトピー性皮膚炎と考えられる。
a 正しい。アトピー性皮膚炎ではアトピー性白内障と網膜剥離が有名。
b SLEではドライアイが合併しやすい。治療でステロイドを使用していると白内障や眼圧上昇のリスクもある。
c 合併症としては間質性肺炎と悪性腫瘍が有名。
d 強直性脊椎炎ではぶどう膜炎を多く合併する。視力低下を主訴に、強直性脊椎炎が見つかることもある。
e 時折、ぶどう膜炎を発症することもある。

正答率:96%

テーマ:アトピー性皮膚炎に合併した網膜剥離の診断

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