104A35

21歳の女性。下肢の脱力を主訴に来院した。これまで時々手足のしびれや脱力を自覚していたが自然に軽快していた。意識は清明。身長155 cm、体重40 kg。血圧98/66 mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。四肢に筋力低下を認める。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球350万、Hb 11.0 g/dL、Ht 32 %、白血球6,800、血小板26万。血液生化学所見:総蛋白6.8 g/dL、アルブミン3.5 g/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、尿酸4.2 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 2.8 mEq/L、Cl 96 mEq/L、Ca 9.0 mg/dL、P 3.8 mg/dL、血漿レニン活性〈PRA〉5.0 ng/mL/時間(基準1.2~2.5)、アルドステロン45 ng/dL(基準5~10)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.44、PaO2 96 Torr、PaCO2 42 Torr、HCO3- 28 mEq/L。
考えられるのはどれか。
Liddle症候群
Fanconi症候群
Gitelman症候群
尿細管性アシドーシス
原発性アルドステロン症

解答: c

104A35の解説

若年女性の下肢の脱力。この瞬間に血清カリウムの値に目を動かせるか否か、が勝負の分かれ目。血漿レニン・アルドステロンともに高値であることから続発性アルドステロン症を考える。血圧が上昇しておらず、(偽性)Bartter症候群ないしはGitelman症候群を考えたい。
a Liddle症候群は偽性アルドステロン症の1つ。
b・d Fanconi症候群は尿細管性アシドーシス〈RTA〉をきたす。ゆえにbとdとセットでバツ。RTAであれば血液ガス分析でアシドーシスを呈するはずだ。
c 正しい。Gitelman症候群が考えやすい。(偽性)Bartter症候群の否定にはもう少し情報が必要だろう。選択肢に入っていないことから除外しよう。
e 上記の通り、続発性が考えやすいため、原発性は否定的。

正答率:72%

テーマ:Gitelman症候群の診断

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