103I69

13歳の男子。右膝痛を主訴に来院した。2か月前に体育の授業中にジャンプした際、右膝に痛みを感じたが放置していた。1週後に受診した近医で成長痛と言われ様子をみていたが、歩行時の痛みが続くため精査目的で紹介された。既往歴・家族歴に特記すべきことはない。身長150 cm、体重43 kg。右膝の近位に腫脹と圧痛とがあり、右膝関節可動域は10°~120°である。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球510万、Hb 15.5 g/dL、白血球8,400、血小板32万。血液生化学所見:尿素窒素17 mg/dL、クレアチニン1.1 mg/dL、尿酸7.0 mg/dL、総ビリルビン0.8 mg/dL、AST 30 U/L、ALT 36 U/L、LD 344 U/L(基準176~353)、ALP 1,824 U/L(基準115~359)、Ca 9.2 mg/dL、P 3.0 mg/dL。CRP 1.1 mg/dL。胸部エックス線写真に異常を認めない。右膝のエックス線写真(A、B)と骨生検のH-E染色標本(C)とを別に示す。
対応として適切なのはどれか。
経過観察
持続洗浄
病巣掻爬
広範切除術
関節固定術

解答: d

103I69の解説

10代男子の膝痛。A, Bでは骨硬化と(特にBで)骨膜反応をみる。Cでは網目状の類骨が示されており、骨肉腫の診断。
a 悪性腫瘍であり経過観察はできない。
b 膿瘍などの存在下で洗浄を行う。
c 良性であれば「掻爬」のみでよいが、悪性腫瘍に対してはdが適応となる。
d 正しい。骨肉腫に対する標準的アプローチである。
e 骨折に対して行う。

正答率:71%

テーマ:骨肉腫への対応

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