103I65

12歳の男児。心臓カテーテル検査を目的に入院した。1か月健康診査で心雑音を指摘された。乳児期に多呼吸を認めたが、2歳までに改善した。以後、発育と運動耐容能とに問題はなく、半年に1回の経過観察を行っていた。現在中学1年でサッカー部に所属し、日常生活に問題はない。意識は清明。身長162cm、体重51kg。体温36.1℃。脈拍68/分、整。血圧114/72mmHg。胸骨左縁第2肋間を最強点とする3/6度の粗い全収縮期雑音を聴取するが、拡張期雑音は聴取しない。肺動脈性II音の亢進はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。心臓カテーテル検査では、右室流出路、主肺動脈および左右肺動脈で酸素飽和度のステップアップを認め、肺/体血流比は1.1であった。肺動脈圧は22/14(平均圧17)mmHgであった。左室造影写真(A)と大動脈造影写真(B)とを次に示す。
方針として適切なのはどれか。
心内修復術を行う。
肺動脈絞扼術を行う。
激しい運動を制限する。
3年以内に自然治癒しなければ手術を行う。
このまま定期的に経過観察を行う。

解答: a

103I65の解説

1か月健康診査で心雑音を指摘されている12歳男児である。主肺動脈および左右肺動脈で酸素飽和度のステップアップを認め、心胸骨左縁第2肋間を最強点とする3/6度の粗い全収縮期雑音を聴取することから、心室中隔欠損を疑う。Aでは漏斗部において心室中隔欠損部のシャント血流を認め、Bでは大動脈弁の逸脱がみられることから、漏斗部型の心室中隔欠損症の診断となる。肺/体血流比は1.1であり、シャント量は少ない。また、肺動脈圧は22/14mmHgであることから肺高血圧もなさそうである。
a・e 逸脱の程度により治療方針が異なるが、画像が不鮮明であり重症度をこれ以上判定できず、経過観察とするべきか根治術を行うべきか判断が難しい。全身状態は良好であり日常生活に問題はないため、定期的に経過観察することもあるだろう。
b 肺動脈絞扼術は肺高血圧時に行う。
c 心不全徴候もなく全身状態は安定しているので、運動制限は必要ない。
d 12歳以降に心室中隔欠損が自然治癒することはない。

テーマ:心室中隔欠損症〈VSD〉

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