103I41

生後9日の女児。2日前からの繰り返す嘔吐と哺乳力低下とを主訴に来院した。在胎39週、体重3,050 g、Apgarスコア9点(1分)で出生した。活気がなく全身に色素沈着を認める。外陰部の写真を別に示す。
診断はどれか。
クレチン症
ガラクトース血症
フェニルケトン尿症
メープルシロップ尿症
先天性副腎皮質過形成症

解答: e

103I41の解説

繰り返す嘔吐と哺乳力低下とみとめる生後9日の女児である。全身に色素沈着を認めることからACTHの上昇を考える。写真では男性器様の外陰部がみられ、先天性副腎皮質過形成の診断となる。活気がないことはアルドステロンが低下したことによる低ナトリウム血症と考えると矛盾がない。
a 甲状腺機能低下の諸症状がなく、過期産や巨大児といった背景もなく、クレチン症は考えにくい。
b ガラクトース血症では哺乳力低下、嘔吐、下痢などの消化器症状が現れるが、色素沈着はない。
c フェニルケトン尿症は体内にフェニルアラニンが蓄積することでけいれんなどを生じるため、哺乳開始後3〜4カ月頃から症状が現れ始める。
d メープルシロップ尿症も生後早期は哺乳力低下、けいれん、意識障害などの症状を示すが、色素沈着は起こさない。
e 正しい。上記の通り。

正答率:96%

テーマ:先天性副腎皮質過形成症(21-水酸化酵素欠損症)の診断

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