103H35

次の文を読み、35、36の問いに答えよ。
60歳の男性。黒色便を主訴に来院した。
現病歴:以前からC型肝炎ウイルス抗体が陽性であることを指摘されていたが放置していた。最近、飲酒量が増加した。昨日から全身倦怠感があり、タール状の黒色便を排泄した。
既往歴:28歳時、交通事故で輸血を受けた。
現 症:意識は清明。身長160 cm、体重52 kg。体温37.0 ℃。脈拍96/分、整。血圧112/70 mmHg。
検査所見:血液所見:赤血球325万、Hb 9.4 g/dL、Ht 32 %、白血球8,200、血小板6.3万。血液生化学所見:総蛋白7.2 g/dL、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、総コレステロール196 mg/dL、総ビリルビン1.8 mg/dL、AST 66 U/L、ALT 48 U/L、LD 496 U/L(基準176~353)、ALP 252 U/L(基準115~359)。CRP 0.3 mg/dL。食道内視鏡写真を別に示す。
身体所見で認められるのはどれか。
鼓腸
血管雑音
筋性防御
腸雑音亢進
くも状血管腫

解答: e

103H35の解説

C型肝炎ウイルス抗体陽性は以前から指摘されており、放置されてたことから肝硬変に進行したと考えられる。食道内視鏡写真では食道静脈瘤認める。
a 腸管内ガスが貯留をきたす疾患で認める所見。
b 腎血管性高血圧症といった動脈狭窄をきたす際に認める。
c 腹膜穿孔や腹膜炎といった疾患で認める。
d 機械性イレウスの際の所見である。
e 正しい。肝硬変によりくも状血管腫、食道静脈瘤、手掌紅斑といった所見を認める。

正答率:92%

テーマ:【長文1/2】肝硬変〈LC〉の身体所見

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