103F26

次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
28歳の初妊婦。下腹部痛と性器出血とを主訴に来院した。最終月経開始日から起算して妊娠7週3日。
現病歴:21日前、市販のキットで妊娠検査を行ったところ陽性だった。3日前から左下腹部の重苦しい痛みを感じていた。来院当日朝、少量の性器出血を認めた。下腹部痛の増強は認めない。妊娠悪阻症状はない。
既往歴・生活歴・家族歴:特記すべきことはない。
月経歴:周期28日型、持続5日間、中等量、月経痛は認めない。
現 症:意識は清明。身長158cm、体重45kg。体温37.3℃。脈拍76/分、整。血圧98/72mmHg。腟鏡診で外子宮口から中等量の出血の持続を認める。内診で子宮は前傾前屈、やや腫大し、やや軟、軽度の圧痛を認める。左付属器領域に軽度の圧痛を認めるが、腫瘤は触知しない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。尿hCG検査:陽性。経腟超音波検査で子宮腔内に内膜の肥厚を認める。胎嚢は認めない。腹水や腹腔内出血は認めない。両側付属器に明らかな腫瘤を認めない。
考えにくいのはどれか。
正常妊娠
進行流産
不全流産
稽留流産
子宮外妊娠

解答: a

103F26の解説

下腹部痛と性器出血とがある28歳の初妊婦である。を主訴に来院した。尿hCG検査にて陽性であり、最終月経開始日から起算して妊娠7週3日である。腟鏡診で外子宮口から中等量の出血の持続を認める。内診で左付属器領域に軽度の圧痛を認めるが腫瘤は触知せず、経腟超音波検査で子宮腔内に内膜の肥厚を認めるも胎嚢は認めないため、子宮外妊娠が示唆される。
a 誤り。妊娠7週にて子宮内腔に胎嚢を認めておらず、正常妊娠は考えにくい。
b・c 子宮口からの出血は持続しており、流産の可能性は高い。
d 稽留流産では自覚症状はなく経腟超音波検査で子宮腔内に胎嚢は認めないため本例では考えにくいが、不全流産への移行は考えられ「最も考えにくい」という点で正解を譲る。
e 上記の通り、子宮外妊娠が最も疑われる。

正答率:79%

テーマ:【長文1/2】異常妊娠の鑑別

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