103F22

26歳の女性。未経妊。性器出血を主訴に来院した。最近不正出血が時々あり、がんではないかと心配している。月経は初経から不順であるが、治療は受けていない。子宮頸癌検診は22歳から毎年受けているが、異常は指摘されていない。内診で腟分泌物は褐色で少量、子宮は正常大で可動性良好。経腟超音波検査で子宮内膜厚は16 mm、両側卵巣は多嚢胞性である。
説明の内容として適切なのはどれか。
「腟炎による出血だと思います」
「子宮体癌の検査をしましょう」
「止血剤で出血が止まれば大丈夫です」
「腟分泌物の細菌培養検査をしましょう」
「子宮頸部から組織を採取して検査をしましょう」

解答: b

103F22の解説

不正性器出血があり、がんではないかと心配している26歳の女性である。経腟超音波検査で子宮内膜厚は16 mmと肥厚しており、両側卵巣は多嚢胞性であることから多嚢胞性卵巣症候群〈PCOS〉が疑われる。
a・d 感染徴候もなく、まずは肥厚した子宮の精査が優先される。
b 正しい。子宮内膜の肥厚があり、PCOSによる子宮体癌の合併やエストロゲン増加も示唆される。本人もがんを心配されているということもあり、子宮体癌の検査は有用である。
c 子宮内膜の肥厚に対応できず、大丈夫である根拠に乏しい。
e 子宮頸癌検診にて異常を指摘されておらず、精査の必要はない。

正答率:65%

テーマ:不正性器出血への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし