103D50

42歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。10か月前に胃全摘術を受けた。皮膚はやや乾燥し蒼白である。腹部は全体に膨隆し、上腹部正中に手術瘢痕を認める。10か月前に摘出された胃の標本の肉眼像(A)、H-E染色標本(B)及び今回来院時の腹部単純CT(C)を別に示す。
考えられるのはどれか。
虚血性大腸炎
癌性腹膜炎
後腹膜腫瘍
消化管穿孔
腹腔内膿瘍

解答: b

103D50の解説

H-E染色標本では印環細胞を多数認めている。腹部単純CTでは広範囲に低吸収域を認め、腹水貯留が考えられる。
a 虚血性腸炎は突然の腹痛と血便を認める。
b 正しい。印鑑細胞癌の腹膜播種であり予後は極めて不良である。
c 腹側に腫瘤を認めており、後腹膜腫瘍は考えにくい。
d 腹部単純CTにてfree airは認めない。
e 腹腔内膿瘍であれば、圧痛を認める。

正答率:79%

テーマ:癌性腹膜炎の診断

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