103D43

30歳の男性。記憶の欠損を主訴に妻に伴われて来院した。数年前から数秒間口をもぐもぐさせることがあり、妻は気になっていた。本人は全く気付いていない。昨日妻を助手席に乗せて運転中、急に動作が止まり、車を壁に衝突させてしまった。意識は清明。身長175 cm、体重69 kg。血圧130/76 mmHg。本人は昨日の事故で負った顔面の傷を示しながら、「全く記憶にないのです。怖くてもう車の運転ができません」と答えるのみである。
最も考えられるのはどれか。
不随意運動
逆向性健忘
解離性障害
側頭葉てんかん
睡眠時無呼吸症候群

解答: d

103D43の解説

若年男性の記憶欠損。自動症(口をもぐもぐ)がみられており、側頭葉てんかん〈複雑部分発作〉と考えられる。
a 不随意運動単独では記憶欠損をみない。
b 逆向性健忘単独では自動症をみない。
c 解離性障害は除外的に判定する。
d 正しい。上記の通り。
e 睡眠時無呼吸症候群では夜間のいびきエピソードや肥満、高血圧がみられる。

正答率:93%

テーマ:側頭葉てんかん〈複雑部分発作〉の診断

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