103D25

26歳の女性。脱力を主訴に来院した。小児期の成長は正常。意識は清明。身長160 cm、体重46 kg。血圧96/60 mmHg。血液生化学所見:Na 140 mEq/L、K 2.4 mEq/L、Cl 89 mEq/L、血漿レニン活性〈PRA〉4.0 ng/mL/時間(基準1.2~2.5)、アルドステロン25 ng/dL(基準5~10)、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.51、PaO2 98 Torr、PaCO2 44 Torr、HCO3- 36 mEq/L。
診断はどれか。2つ選べ
急性下痢
Bartter症候群
Gitelman症候群
ループ利尿薬の乱用
原発性アルドステロン症

解答: c,d

103D25の解説

若年女性の脱力。このパターンではすぐにカリウム値をチェック。K 2.4mEq/lと低下していることより周期性四肢麻痺である。レニン高値、アルドステロン高値より続発性アルドステロン症のパターン。血圧が96/60mmHgとやや低下していることから、(偽性含む)Bartter症候群またはGitelman症候群を考える。小児期の成長は正常とあり、通常のBartter症候群は否定的。
a 急性下痢では代謝性アシドーシスとなる。
b 上記の通り、Bartter症候群は通常小児期から発症するため否定的。
c 正しい。Gitelman症候群は十分に考えうる。
d 正しい。ループ利尿薬の乱用によりBartter症候群様の症候をみる病態を偽性Bartter症候群と呼ぶ。十分に考えうる。
e 原発性アルドステロン症ではレニンが低値となるはず。

正答率:60%

テーマ:Gitelman症候群の診断

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