103A52

50歳の男性。眼底検査を勧められ来院した。15年前に糖尿病と診断された。視力は両眼ともに1.2(矯正不能)。眼底に出血が散在し、蛍光眼底造影検査で、両眼の眼底に広範囲な無血管野と網膜新生血管とを認める。
対応として最も適切なのはどれか。
経過観察
止血薬内服
硝子体手術
網膜レーザー光凝固
副腎皮質ステロイドのテノン嚢下注射

解答: d

103A52の解説

視力は今のところ良好だが、眼底出血・無血管野(無灌流域)・網膜新生血管を認めており、増殖糖尿病網膜症の所見である。放置すれば新生血管や増殖膜による牽引で硝子体出血や網膜剥離が生じる。なお、糖尿病に罹患した場合は自覚症状がなくとも半年〜1年間隔での眼科の定期受診が必要である。
a 増殖糖尿病網膜症は失明の可能性があり積極的に治療すべき状態である。
b あまり意味がないが、例え止血されたとしてもの根本的な原因である新生血管は残るので出血は再発するだろう。
c この状態を放置し、今後硝子体出血や増殖膜で視力低下が起こった場合は手術を行うしかない。現時点では必要ない。
d 正しい。無血管野で虚血によりVEGFが放出され新生血管が生じている状態と考えられる。虚血網膜をレーザーで凝固し、これ以上新生血管ができないようにすべきである。
e 眼内に炎症がある場合に行われることがある。

正答率:92%

テーマ:増殖型糖尿病性網膜症への対応

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