103A37

78歳の男性。発熱、喘鳴および呼吸困難を主訴に来院した。1年前の脳梗塞のため右片麻痺と構音障害とを認める。昨日から咳嗽、喘鳴および呼吸困難が出現した。意識は清明。体温37.8 ℃。呼吸数24/分。脈拍88/分、整。血圧132/78 mmHg。頭頸部に異常を認めない。両背側に吸気終末中心に増強するcoarse cracklesと呼気相全体のrhonchi〈いびき様音〉とを聴取する。過剰心音と心雑音とを聴取しない。胸部エックス線写真で心拡大を認めない。
考えられるのはどれか。
閉塞性肺炎
上気道狭窄
間質性肺炎
嚥下性肺炎
心原性肺水腫

解答: d

103A37の解説

脳梗塞既往のある高齢男性の発熱と喘鳴、呼吸困難。両背側にcoarse cracklesとrhonchiとを聴取しており、誤嚥性肺炎〈嚥下性肺炎〉と考えられる。
a 中枢型肺癌などにより気道が閉塞し、出現する肺炎。一般に片側性。
b 両背側に雑音を聴取している今、病変の主座は末梢と考えるべきだ。上気道狭窄ではより中枢側に症状が出現する。
c 間質性肺炎ではfine cracklesを聴取する。
d 正しい。上記の通り。
e 過剰心音と心雑音とを聴取せず、胸部エックス線写真で心拡大を認めないことから否定的。

正答率:86%

テーマ:誤嚥性肺炎の診断

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