102I66

47歳の男性。両眼のかすみを主訴に来院した。42歳の時に人間ドックの胸部エックス線写真で異常所見を指摘されたが、症状はなく精密検査は受けていなかった。矯正視力は右眼0.8、左眼0.9。眼圧は右眼28mmHg、左眼29mmHg。後嚢下の白内障を両眼に認める。左眼の眼底写真(A)と蛍光眼底写真(B)とを別に示す。血液検査では血清ACEの上昇がみられる。ツベルクリン反応陰性。
眼科検査として有用なのはどれか。
隅角検査
網膜電図
調節検査
色覚検査
超音波検査

解答: a

102I66の解説

両眼ともにやや視力低下を認め、眼圧はやや高め。眼底写真Aでは網膜周辺部(写真の左側)に白鞘化した血管を認め、Bで同部位の漏出による過蛍光があることから静脈周囲炎が示唆される。加えて、ACEの上昇からサルコイドーシスが強く疑われる。そこから考えると、胸部エックス線の異常所見は肺門部リンパ節の腫脹だったのだろうと推察される。また、ツベルクリン反応では結核性ぶどう膜炎を否定している。
a 正しい。肉芽腫性病変である隅角結節や、その名残であるテント状虹彩前癒着などの所見がみられる。
b 視細胞の応答の検査。サルコイドーシスとは関係がない。
c 調節幅(力)を測定する。主に老視に用いられる。
d ぶどう膜炎で色覚異常を呈することは典型的ではない。
e 後嚢下白内障は認めるが眼底診察が可能であり球後の病変は考えにくいので必要ない。

正答率:64%

テーマ:サルコイドーシスにみられた眼所見の検査

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