102I53

44歳の男性。右膝の疼痛と腫脹とを主訴に来院した。2日前にテニスの試合で右膝をひねってから疼痛と腫脹とが出現した。初診時は30°屈曲位で自動伸展不能であったが、診察で膝を動かしているうちに伸展できるようになった。膝関節単純MRIのT1強調矢状断像とT2*強調矢状断像(A、B)とを別に示す。
考えられるのはどれか。
半月板損傷
骨軟骨骨折
後十字靱帯損傷
前十字靱帯損傷
離断性骨軟骨炎

解答: a

102I53の解説

半月板損傷は、荷重状態での回旋時に生じる。前十字靭帯損傷時に同時に損傷することも多い。また、円板状半月板(通常より大きい外側半月板)では損傷しやすい。
a 正しい。受傷契機に矛盾がない。進展不能のlockingが特徴的。画像で後方の半月板に亀裂がはいっているのが確認できる。
b 骨軟骨骨折では画像で骨折した軟骨片が遊離し、骨折部と正常部で信号に差がみられるが本症例では確認できない。
c 検査として後方引き出しテストの所見がほしいところ。受傷起点からも考えにくい。
d 最も鑑別が必要な疾患であるが、c同様、前方引き出しテストやLachmanテストの所見がほしいが記載がない。また、MRI画像で損傷していない前十字靭帯を確認できるため、誤り。
e 半月板の損傷と同様にlockingはあるが、受傷起点ははっきりしないことが多い。スポーツによるストレスや外傷による骨への負担が繰り返されることで軟骨片が関節内に遊離し炎症を起こすというものである。成長期の学童に多い。

正答率:69%

テーマ:半月板損傷の診断

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