102G67

次の文を読み、67~69の問いに答えよ。
58歳の男性。歩行時の胸痛と息苦しさとを主訴に来院した。
現病歴:2か月前から階段を上がったとき前胸部痛を感じていた。前胸部痛は安静にすると消失していた。2週前から平地歩行でも胸痛が出現するようになった。また、息苦しさも感じるようになった。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙は20本/日を35年間。
家族歴:父親は脂質異常症
で加療中である。
現 症:身長162cm、体重75kg。脈拍72/分、整。血圧126/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球450万、Hb 14.5g/dL、白血球6,800、血小板25万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素15.0mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、総コレステロール270mg/dL、トリグリセライド140mg/dL、HDL-コレステロール44mg/dL、AST 25U/L、ALT 20U/L。冠動脈造影写真(A、B)を別に示す。
冠動脈造影写真で認められる所見はどれか。
右冠動脈狭窄
左冠動脈主幹部狭窄
左冠動脈回旋枝閉塞
左冠動脈対角枝閉塞
左冠動脈前下行枝閉塞

解答: b

102G67の解説

歩行時の胸痛と息苦しさとを主訴とする58歳男性。現病歴からは労作性狭心症を疑う。冠動脈造影写真(A)では左冠動脈主幹部の狭窄を認める。(B)では右冠動脈に有意狭窄を認めない。なお、血液検査でLDL-コレステロールは「総コレステロール-HDL-コレステロール-トリグリセライド×0.2」で算出することができ、本症例ではLDL-コレステロールは198mg/dLと高値である。高脂血症の家族歴は家族性高コレステロール血症を示唆させているのだろう。喫煙歴と併せて冠動脈疾患の危険因子であることを覚えておく。
a 右冠動脈に狭窄を認めない。
b 正しい。上述の通り。
c 左回旋枝は画像(A)に向かって左の太い血管である。閉塞していない。
d 左冠動脈対角枝は、左前下行枝から分枝する。閉塞していない。
e 左前下行枝は画像(A)に向かって右の太い血管である。閉塞していない。%向かって右、でわかりますか。

正答率:95%

テーマ:【長文1/3】冠動脈造影写真で認められる所見

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