102F28

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
42歳の女性。不眠と頭痛とを主訴に来院した。
現病歴:半年前に職場で管理職に昇進したころから不眠が出現した。疲れやすくて食欲もなく、趣味の社交ダンスもやめてしまった。この1か月は、夕方になると鈍い痛みを後頭部に感じ仕事に集中できなかった。部下に迷惑をかけているので思い切って仕事を辞めようかとも考えた。子供はおらず夫と二人暮らしである。心配した夫に病院に行くように強く勧められたため思い切って来院した。
既往歴:特記すべきことはない。
家族歴:母親が糖尿病で通院治療中。
現 症:意識は清明。身長163cm、体重47kg。脈拍72/分、整。血圧104/72mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。甲状腺腫大はない。頸部リンパ節は触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。筋力低下はなく、深部腱反射は正常である。
医師が医療面接でこの患者にかける言葉のなかで、共感的態度を表しているのはどれか。
「職場の人間関係がストレスなのですね、私も経験があります」
「睡眠不足だと頭も痛くなりますし集中力も落ちますよね」
「仕事を辞めようと思うほど支障をきたしているのですね」
「子供さんがいない生活はずいぶん寂しいでしょうね」
「この半年の間に一度も病院に行っていないのですか」

解答: c

102F28の解説

管理職に昇進した頃からの不眠・頭痛・集中力低下であり、うつ病が考えやすい。
a 「職場の人間関係がストレス」とは言っていない。
b 不眠の原因を頭痛と断定しており、不適切。
c 正しい。患者の発言の範囲内で共感的態度を示している。
d 子供がいないからといって寂しいとは限らない。独断と偏見がすぎる。
e 患者を叱責する発言であり、好ましくない。また、質問の1つにすぎず、共感的態度とも言えない。

正答率:66%

テーマ:【長文1/2】共感的態度を表す発言

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