102A39

52歳の男性。右眼の精密検査のために来院した。35歳時の健康診断で糖尿病と診断された。49歳時に眼底出血を指摘され、レーザー治療を受けた。その後は自覚症状がないままに糖尿病自体の治療も含めて放置していたが、1か月前に右眼の霧視が出現し、視力低下を自覚した。その後視力低下は自然に改善したが心配になり受診した。右眼の視力は1.2(矯正不能)。角膜と水晶体とに異常はなく、硝子体中に混濁を認める。右眼の眼底写真を別に示す。
霧視の原因になった病変はどれか。

解答: c

102A39の解説

眼底出血に対してレーザー治療を受けた経緯があり、その後は治療を放置しているので現在も増殖糖尿病網膜症となっていると考える。
a 点状出血もしくはしみ状出血である。単純糖尿病網膜症でも観察できる所見で、硝子体出血には至らない。
b 軟性白斑である。綿花様白斑とも呼ばれ、虚血を示唆する所見である。
c 正しい。網膜由来の新生血管である。加齢黄班変性症でみられる新生血管は脈絡膜由来のものが多く、少し毛色が違うが、いずれの新生血管も破綻によって硝子体出血をきたす。
d 視神経乳頭である。
e 写真が鮮明でないのではっきりしないが、おそらくレーザー凝固斑である。

正答率:62%

テーマ:糖尿病性網膜症の病態

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