101H44

64歳の男性。昨晩から持続する腹痛を主訴に来院した。10年前に肝疾患を指摘された。意識は清明。顔色は不良である。脈拍112/分、整。血圧84/60mmHg。血液所見:赤血球189万、Hb 5.8g/dL、白血球9,600。腹部単純CT(A、B)と造影CT(C、D)とを別に示す。
輸血を開始した後に行うのはどれか。
動脈塞栓術
バルーン閉塞下経静脈的静脈瘤閉塞〈BRTO〉
ステントグラフト術
抗腫瘍薬動注療法
経皮的ラジオ波焼灼

解答: a

101H44の解説

腹部単純CTでは低吸収の腫瘤影を認め、同部位の造影CTでは不均一に造影されている。また、肝臓、脾臓周囲に液体を貯留を認めていることと、ショックバイタルを呈していること、高度貧血を呈していることから、肝細胞癌破裂による腹腔内出血を考える。
a 正しい。緊急止血術として、動脈塞栓術が有効である。
b BRTOは胃静脈瘤に対する治療法である。
c ステントグラフト術は血管狭窄及び閉塞病変に対して行う。
d・e ともに肝細胞癌に対する局所療法ではあるが、ショックバイタルを呈している状態では適切ではない。

正答率:74%

テーマ:肝細胞癌〈HCC〉破裂への対応

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