101H18

生後0日の新生児。在胎39週3日、仮死なく出生した。身長43cm、体重2,010g、頭囲28cm、胸囲30cm。外表奇形は認めない。体幹と四肢とに点状出血斑を認める。眼底に異常は認めない。血液所見:赤血球600万、Hb 19.0g/dL、白血球11,000、血小板7.3万。血清生化学所見:IgG 1,900mg/dL(基準960~1,560)、IgA 5mg/dL(基準0~10)、IgM 65mg/dL(基準0~20)、AST 135U/L、ALT 1201U/L、LD 1,200U/L(基準270~480)。頭部単純CTを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
先天梅毒
先天性風疹症候群
先天性トキソプラズマ症
先天性サイトメガロウイルス感染症
先天性ヒト免疫不全ウイルス感染症

解答: d

101H18の解説

在胎39週3日に仮死なく出生した生後0日の新生児である。頭位28cm、体重2,010gと胎児発育不全があり、体幹と四肢とに点状出血斑を認めている。血小板減少や、IgG高値、IgM高値があり、AST 135IU/l、ALT 1201U/l、LD 1,200IU/lと肝障害も示唆される。頭部単純CTでは水頭症、脳内石灰化を認め、TORCH症候群の診断となる。
a~c 設問文からは各選択肢を決定的に否定できず、また、最も考えられる根拠も見当たらない。
d △。選択肢の中で「最も脳内石灰化をきたしやすいのは」先天性サイトメガロウイルス感染症であるが、臨床像からは判断できない。厚労省の公式解答はdであり、特に不適切問題扱いにもならなかったため本解説でもdを正答としておくが、いささか疑問の残る問題である。
e 先天性ヒト免疫不全ウイルス感染症では脳内石灰化はきたさず、選択肢の中では最も考えにくい。
※解答困難な問題(1つに絞りきれない)。「最も考えにくいのはどれか」と出題し、eを正答としたのであれば良問であったように思う。

正答率:51%

テーマ:先天性サイトメガロウイルス感染症の診断

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