101G9

66歳の女性。右下腿の紅斑を主訴に来院した。2年前に右下腿伸側に小紅斑が出現した。次第に拡大して現在のような病変を形成した。ときに軽い痒みがある。皮膚病変の写真(A)とその生検H-E染色標本(B、C)とを別に示す。
治療法として適切なのはどれか。
切除手術
PUVA療法
抗真菌薬塗布
エトレチナート内服
ビタミンD3軟膏塗布

解答: a

101G9の解説

高齢女性の右下腿の紅斑。Aでは境界不整で、褐色調の皮疹がみられる。Bでは表皮全層の異型細胞を確認可能。Cでも異型細胞が多数みられ、腫瘍性病変が考えやすい。ここまで分かれば正答にはたどり着くが、あえて診断名を付与するとすればBowen病であろう。
a 正しい。皮膚科の悪性腫瘍(ないしその前癌病変)は原則として切除手術が有効。
b Bowen病は紫外線曝露がリスクの1つとなる。PUVA療法では病態を悪化させかねないため不適切。
c 真菌感染に有用。
d エトレチナートはビタミンA誘導体。乾癬などの治療に有用。
e ビタミンD3軟膏塗布も乾癬や掌蹠膿疱症、尋常性白斑の治療に有用。

正答率:66%

テーマ:Bowen病の治療法

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