101G52

17歳の男子。全身倦怠感を主訴に来院した。身長168cm、体重54kg。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧110/70mmHg。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を4cm触知する。脾は触知しない。血液所見:赤血球380万、Hb 11.2g/dL、白血球5,600、血小板18万。血清生化学所見:AST 120U/L、ALT 265U/L、LD 420U/L(基準176~353)、Cu 30μg/dL(基準68~128)、セルロプラスミン5.1mg/dL(基準21~37)。免疫学所見:CRP 0.1mg/dL、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。尿中Cu排泄量500μg/日(基準100以下)。
治療薬はどれか。
キレート薬
シクロスポリン
インターフェロン
免疫グロブリン製剤
副腎皮質ステロイド薬

解答: a

101G52の解説

17歳男子の全身倦怠感。肝腫大と貧血とがある。Cuとセルロプラスミンが低値を示し、尿中Cu排泄量が増加していることからWilson病を考える。
a 正しい。銅のキレート薬(D-ペニシラミンなど)が有効。ほか、酢酸亜鉛も治療薬として確認しておくこと。
b・e 免疫抑制薬。Wilson病には用いない。
c・d サイトカインや抗体を用いた治療。Wilson病には用いない。

正答率:91%

テーマ:Wilson病の治療薬

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