101G36

55歳の男性。下腿の浮腫を主訴に来院した。4か月前に夕方になると靴下のゴムの痕がつくことに気付いた。徐々に浮腫の程度が強くなってきた。意識は清明。体温36.6℃。脈拍72/分、整。血圧150/86mmHg。皮膚に発疹と発赤とを認めない。眼瞼に軽度の浮腫を認める。頸部と胸部とに異常はない。下腿と足背とに圧痕を残す浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(―)、沈渣に赤血球0/1視野、脂肪円柱3/1視野。血液所見:赤血球520万、Hb 16.2g/dL、Ht 48%、白血球4,600。血清生化学所見:空腹時血糖96mg/dL、HbA1c 5.4%(基準4.3~5.8)、総蛋白5.9g/dL、アルブミン2.2g/dL、尿素窒素22mg/dL、クレアチニン1.3mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.6mEq/L。免疫学所見:抗核抗体陰性、CH50 37U/mL(基準30~40)。腎生検PAS染色標本を別に示す。
最も可能性の高い疾患はどれか。
膜性腎症
微小変化群
ループス腎炎
糖尿病性腎症
膜性増殖性糸球体腎炎

解答: a

101G36の解説

徐々に浮腫の程度が強くなってきた中年男性である。蛋白3+、アルブミン2.2g/dlであることからネフローゼ症候群の診断基準を満たしている。腎生検PAS染色標本にて血管壁の肥厚や基底膜の肥厚を認め、膜性腎症と診断できる。
a 正しい。上記の通り。
b 微小変化群は小児に多く、腎生検にて異常を認めない。
c・e 補体は低下するはずであり、それぞれ腎生検像も異なる。
d 空腹時血糖96mg/dl、HbA1c 5.4%であり、糖尿病の診断基準を満たしていない。

正答率:68%

テーマ:膜性腎症〈MN〉の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし