101G27

60歳の女性。排便時の出血を主訴に来院した。2か月前から時々出血があることに気付いていたが、疼痛がないため放置していた。排便回数に変化はない。身長152cm、体重48kg。体温36.5℃。呼吸数14/分。脈拍76/分、整。血圧112/72mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部に腫瘤と圧痛とを認めない。直腸指診で直腸後壁に弾性硬の示指頭大の腫瘤を触知する。尿所見:蛋白(―)、糖(―)、尿潜血(―)。血液所見:赤血球390万、Hb 11.9g/dL、Ht 35%、白血球5,600。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン3.4g/dL、クレアチニン1.0mg/dL、AST 20U/L、ALT 14U/L、LD 390U/L(基準176~353)。免疫学所見:CRP 0.3mg/dL、CEA 3.0ng/mL(基準5以下)。肛門線から6cmの部位の大腸内視鏡所見(A)と腫瘤のH-E染色標本(B)とを別に示す。
診断はどれか。
腺腫
肉腫
脂肪腫
カルチノイド

解答: e

101G27の解説

大腸内視鏡所見では腫瘤性病変を認め、一部delleやbridging foldを認める。またH-E染色標本では柵状配列を認めており、カルチノイド症候群と診断する。
a・b カルチノイド症候群は粘膜下腫瘍であり、癌や腺腫といった上皮性の腫瘍とは異なる。
c 病理所見で間葉系組織の増殖を認めない。
d 病理所見で脂肪細胞の増殖を認めない。
e 正しい。外科的切除を行う。

正答率:62%

テーマ:大腸カルチノイドの診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし