101G21

54歳の女性。2週前からの動悸を主訴に来院した。半年前から労作時の息切れを自覚している。意識は清明。身長162cm、体重50kg。脈拍108/分、不整。血圧102/72mmHg。心尖部でI音の亢進と拡張期雑音とを聴取する。右肋骨弓下に肝を2cm触知する。下腿に浮腫を認めない。心電図(A)と心エコー図(B、C)とを別に示す。
治療薬はどれか。2つ選べ
アトロピン
ジギタリス
リドカイン
ワルファリン
ニトログリセリン

解答: b,d

101G21の解説

2週前からの動悸を主訴とする54歳女性。心尖部でI音の亢進と拡張期雑音を認めることから僧帽弁狭窄症〈MS〉を考える。心電図では、P波の消失とRR間隔不整から心房細動を認める。心エコー図では(B)で左房の拡大、Mモード(C)で僧帽弁前尖後退速度の低下を認める。以上よりMSと診断できる。肝腫大を認めることからMSによる右心不全と考えられる。
a アトロピンは徐脈に対する治療法である。
b 正しい。ジギタリスは房室伝導抑制作用を有し、心房細動に対するレートコントールとして用いられる。
c リドカインは心室性不整脈に対する治療法である。
d 正しい。MSに合併した心房細動に対しては、抗凝固薬であるワルファリンを投与する。
e ニトログリセリンは狭心症に対する治療薬である。

正答率:62%

テーマ:僧帽弁狭窄症〈MS〉に合併する心房細動〈AF〉の治療薬

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