101G15

47歳の男性。左上背部痛を主訴に来院した。喫煙20本/日を25年間。CEA15ng/mL(基準5以下)。胸部エックス線写真(A)と胸部造影CT(B)とを別に示す。
ほかにみられるのはどれか。
嗄声
顔面浮腫
嚥下困難
横隔神経麻痺
Horner症候群

解答: e

101G15の解説

左上背部痛を主訴とする47歳男性。喫煙歴を有し、CEAの上昇を認める。胸部エックス線写真(A)では、左上葉に腫瘤影を認める。胸部造影CT(B)では左肺尖部に腫瘤影を認め、背側胸壁との境界が不明瞭である。CEAの上昇も認めることから、左肺尖部胸壁浸潤型肺癌(Pancoast腫瘍)が考えられる。
a 左反回神経は大動脈弓を反回しているため、左肺尖部腫瘍により反回神経麻痺は生じない。
b 顔面浮腫は上大静脈症候群により生じる。左肺尖部の腫瘍では上大静脈は圧迫されない。
c CTにて食道まで浸潤しておらず、嚥下困難は生じない。
d 横隔神経は気管の腹側を走行しているため、腫瘍部位から麻痺はきたさない。
e 正しい。頸部交感神経節の浸潤によりHorner症候群(発汗低下、縮瞳、眼烈狭小化)をみる。このようにPancoast腫瘍ではHorner症候群を合併することがある。

正答率:61%

テーマ:肺癌に合併したHorner症候群の診断

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