101E1

次の文を読み、1~3の問いに答えよ。
34歳の男性。急速に強くなった腹痛のため搬入された。
現病歴:昨日、夕食を午後8時に摂取した。午後11時ころに臍部を中心とした腹痛があり、最初は普通便、続いて水様便が始まり、夜間にも3回排便があった。妻もその頃から下痢を認めていた。今朝は朝食を摂取せず出社した。出社後、腹痛が周期性となり、血液の混じった粘液便を2回認めた。痛みのためうずくまっていたため、同僚が救急隊を要請した。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:飲酒はビール1本を週に1回。喫煙はない。最近1年の海外渡航歴はない。
現 症:意識は清明。顔貌は苦悶様。身長165cm、体重64kg。体温38.3℃。脈拍96/分、整。血圧106/80mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。
この患者に予想される身体所見はどれか。
肋骨脊柱角叩打痛
腸雑音亢進
筋性防御
腹部膨隆
反跳痛

解答: b

101E1の解説

腹痛を主訴に来院した34歳男性。発熱と粘血便を認めることから感染性腸炎を考える。また、食後3時間で腹痛が出現し、妻も同様の症状を呈していることから食中毒を考える。
a 肋骨脊柱角の叩打痛は腎盂腎炎で認める。
b 正しい。感染のため腸雑音は亢進する。周期性の腹痛はこのためである。
c・e これらは腹膜刺激徴候であり、腹膜にまで感染が波及した場合に生じる。
d 大量に腹水が貯留した場合に膨隆するが、腸炎では認めない。

正答率:83%

テーマ:【長文1/3】感染性腸炎の身体所見

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