101D23

74歳の男性。術中の血圧を測定するため、橈骨動脈に留置針を挿入する予定である。その可否をみるために次の手順で検査を行った。
①母指を中にして手を強く握らせる。
②橈骨動脈と尺骨動脈とを用手的に圧迫する。
③圧迫をしたまま手を開かせて色調が蒼白になっていることを確認する。
④橈骨動脈の圧迫を解除する。
⑤手の色調が速やかに赤色に戻ることを確認する。
手順で誤っているのはどれか。

解答: d

101D23の解説

多くの人で橈骨動脈は尺骨動脈とつながっており、いずれか一方が万が一閉塞してしまっても手が虚血に陥らない仕組みとなっている。しかし、一部の人ではこの短絡が存在しない。このケースでは術中の持続的動脈圧測定にて手が虚血に陥ってしまう可能性がある。それを事前に確認するのが、このAllenテストだ。
a ①により、手の動脈血を疎とする。
b ②により、橈骨動脈と尺骨動脈からの動脈血流入を遮断する。
c ③により、確実に手の動脈血が遮断されたことを確認する。
d 誤り。術中には橈骨動脈を留置針を挿入するわけで、それに習って尺骨動脈の圧迫を解除すべきである。
e ⑤により尺骨動脈からの血流で手の栄養が賄われていることを証明する。

正答率:70%

テーマ:Allenテストの実際

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