101A8

56歳の男性。皮膚の紅斑を主訴に来院した。2年前から手指と手首との関節に痛みと腫脹とがあり、関節リウマチの診断で治療を受けていた。最近、手指の爪に変形が生じ、頭部、四肢関節部および臍部に境界明瞭な角化性紅斑が生じてきた。リウマトイド因子陰性。皮膚の写真(A)と紅斑部生検H-E染色標本(B)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
成人Still病
乾癬性関節症
梅毒性関節炎
サルコイドーシス
リウマチ性多発筋痛症

解答: b

101A8の解説

中年男性の角化性紅斑。画像Aに示される、やや鱗屑を伴った紅斑からは尋常性乾癬が考えやすい。関節痛、爪の変化、Bの画像から見て取れる真皮乳頭の増生も矛盾しない所見である。
a 成人Still病であればサーモンピンク疹が出現する。肝脾腫やリンパ節腫脹、弛張熱などもう少しキーワードもほしいところだ。
b 正しい。尋常性乾癬を背景とした関節炎である。
c 梅毒の感染を考えさせる病歴はない。
d サルコイドーシスであれば、非乾酪性肉芽腫をみる。
e リウマチ性多発筋痛症であれば筋痛が前面にみられる。
105A25で再度出題されることとなる。

正答率:88%

テーマ:乾癬性関節炎の診断

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