101A15

75歳の男性。数日前から進行する呼吸困難を主訴に来院した。3年前、健康診断の胸部エックス線写真で線様網状影を指摘された。以後年1回、胸部CT、呼吸機能検査および血液検査で経過観察中であった。喫煙25本/日を50年間。意識は清明。脈拍92/分、整。血圧136/70mmHg。血液所見:赤血球480万、白血球8,900。スパイロメトリ:%VC 68%、FEV1% 82%。動脈血ガス分析(自発呼吸、roomair):pH 7.42、PaO2 54Torr、PaCO2 36Torr。胸部単純CTを別に示す。
診断はどれか。
過敏性肺炎
肺胞蛋白症
特発性肺線維症
サルコイドーシス
肺リンパ管筋腫症

解答: c

101A15の解説

数日前から進行する呼吸困難を主訴とする75歳男性。3年前にすでに胸部エックス線写真で線様網状影を指摘されている。スパイロメトリは拘束性障害を示している。動脈血ガスではI型呼吸不全を呈しており、胸部単純CTで両肺性の蜂巣肺をみる。特発性肺線維症の診断。
a 過敏性肺炎であれば夏季に発症したり、原因である抗原の回避により改善するはず。
b 肺胞蛋白症は胸部CTではメロンの皮状の所見であり、また気管支肺胞洗浄液は白濁する。
c 正しい。上述の通り。
d サルコイドーシスの肺所見としては両側肺門部リンパ節の腫脹が特徴的であり、急性な呼吸困難は認めにくい。
e 肺リンパ管筋腫症では閉塞性障害をみる。また若い女性に多いのが特徴。

正答率:86%

テーマ:特発性肺線維症〈IPF〉の診断

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