101A12

30歳の男性。右難聴を主訴に来院した。1年前、バイクで走行中に転倒し、頭部右側を打撲した。転倒直後に右耳から出血し、難聴を自覚したが放置していた。1年経っても難聴が改善しない。鼓膜所見に異常はない。純音聴力検査の結果を別に示す。
考えられるのはどれか。
滲出性中耳炎
突発性難聴
外リンパ瘻
機能性難聴
耳小骨離断

解答: e

101A12の解説

純音聴力検査の結果、右耳の伝音難聴を認める。1年前の転倒での打撲が契機と考えられ、外傷で伝音難聴をきたす疾患を考える。
a 滲出性中耳炎では伝音難聴をきたすが、鼓膜内陥や滲出線が認められるはずである。
b 突発性難聴は特に契機がないことが多く、感音難聴である。
c 外リンパ瘻は急激に鼓室圧が変化するような動作を契機とし、特徴的なpop音がした後に生じる感音難聴である。また、前庭症状もみられる。
d 心因性もしくは詐聴のことであるが、純音聴力検査で高度の感音難聴様の結果を得る。検査結果では難聴を示すにもかかわらず、問診はしっかり受け答えができることがある。
e 正しい。外傷性耳小骨離断と考えられる。我が国では、耳かきによる鼓膜穿孔と合併して耳小骨離断が生じることもある。

正答率:83%

テーマ:耳小骨離断の診断

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