101A10

43歳の男性。右眼の飛蚊症を主訴に来院した。36歳時に糖尿病を指摘され、治療を勧められたが放置していた。右眼の矯正視力は1.0、眼圧は20mmHg。水晶体に軽度の混濁を認める。右眼底写真を別に示す。
治療として最も適切なのはどれか。
強膜内陥術
水晶体摘出術
網膜光凝固術
線維柱帯切除術
抗プラスミン薬投与

解答: c

101A10の解説

飛蚊症は、硝子体中に浮遊物があると認める症状である。眼底写真では耳側に明らかに出血と増殖膜を認め、これが原因と考えられる。また、7年放置した糖尿病によって増殖糖尿病網膜症を合併したのだろう。黄斑に病変がないため矯正視力は1.0であるが進行した状態である。
a 網膜剥離に対する術式である。
b 水晶体の混濁は軽度であり摘出する意味はない。
c 正しい。新生血管の破綻により硝子体出血(もしくは網膜出血)をきたしている。無灌流域にレーザーが適応である。なお、出血が黄斑部にかかり視力低下を認めたり、増殖膜が牽引している場合は硝子体手術の適応となる。
d 薬剤抵抗性の緑内障に対して行う術式である。
e 止血効果を期待する薬剤であるが、新生血管がある限り出血は再発するので、根本的な解決にはなっていない。

正答率:80%

テーマ:増殖糖尿病網膜症の治療

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