100F58

23歳の女性。上口唇の小水疱と痛みとを主訴に来院した。2日前から上口唇部がぴりぴりしていた。今朝起きると小さい水疱が出きていた。3年前から年に1、2回、上口唇に同様の水疱ができて、7~10日くらいで軽快するエピソードを繰り返していた。上口唇の写真を別に示す。
この病変を起こす病原体の初感染によって生じるのはどれか。2つ選べ
水痘
突発性発疹
伝染性単核症
ヘルペス性歯肉口内炎
Kaposi水痘様発疹症

解答: d,e

100F58の解説

23歳女性が上口唇にできた有痛性の小水疱を主訴に来院した。上口唇の写真をみると、中央に臍窩を伴う水泡が集まっており、口唇ヘルペスを考える。本症は同一部位に出現し自然に消退することを繰り返す。
a 水痘は、水痘帯状疱疹ウイルスによるものであり、口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスによるものである。
b 同じヘルペス属である、ヒトヘルペスウイルス6型(または7型)の感染によっておこる。
c EBウイルスやサイトメガロウイルスによって発症する。
d 正しい。単純ヘルペスウイルスの感染によって発症する。母からの免疫がなくなった生後半年以降の乳幼児に多くみられ、接触感染や飛沫感染の経路をとる。
e 正しい。アトピー性皮膚炎など皮膚病変上に単純ヘルペスウイルスが感染し発症する。初感染であることが多いとされている。

正答率:59%

テーマ:HSV初感染によって生じる疾患

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